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道明寺天満宮と国宝伝菅公遺品

左:青白磁円硯(せいはくじえんけん)真中:銀装革帯(ぎんそうかくたい)右:角柄刀子(さいかくえのとうす)

左:青白磁円硯(せいはくじえんけん)真中:銀装革帯(ぎんそうかくたい)右:角柄刀子(さいかくえのとうす)
                    
 
菅原道真公とゆかりの深い道明寺天満宮には、道真公の愛したと伝えられる遺品が残されています。では、国宝伝菅公遺品を紹介します。

道明寺天満宮は、もと土師氏の氏神として成立し、現在では天穂日命、菅原道真公、覚寿尼を祀っています。
平安時代に学者・政治家として活躍された道真公は、延喜3年(903年)に九州の太宰府で病死されました。道真公の死後、京都では天変地異がしきりに起こり、朝廷では皇太子の夭折など不運が続きました。当時、こうした災厄は、道真公の怨霊のしわざと信じられ、道真公の霊を慰めるために京都北野天満宮や太宰府天満宮が建てられたのです。道明寺天満宮は、天暦元年(947)に道真公の残した自作の像を祀ったのがはじまりとされています。
道明寺天満宮には、大宰府で亡くなった道真公の遺言によって、道真公の伯母覚寿尼に届けられたと伝えられている遺品が遺されています。国宝に指定されている6点を順に紹介しましょう。
青白磁円硯 外面にやや青みを帯びた白釉のかかる円形の硯です。直径27センチの大型のもので、もとは20本の脚によって支えられていました。残念ながら脚は古くから失われていたと思います。中国唐の官窯で焼かれたものです。
銀装革帯 2枚の革を縫い合わせたバンドで、巡方と呼ばれる銀メッキされた銅製の四角い飾りが15個着けられています。この巡方には、弓矢で狩りをする人や、鹿、鴛鴦、森等を象徴する紋様が浮き彫りにされており、中央には水晶玉をはめ込んでいます。水晶玉の下には、紫や藍、茶などの色板を敷き、色の変化をつけています。
玳瑁装牙櫛 前髪を飾る象牙製の歯の長い櫛です。棟には両面にそれぞれ7個の花形を、峰には紡錘形を彫り込み、朱を敷いて上から玳瑁(べっこう)をはめ込んでいます。また花と花の間には、唐草風に銅線をはめ込み、その間に金泥の珠文が配されています。
現在では、髪を結うことは、女性特有のものと考えられがちですが、当時の男性は、冠をかぶることがしきたりで、長い髪を頭上で束ねるために櫛は必需品でした。
牙笏 長さ36センチの象牙製の笏です。笏は、宮廷で式次第などを書き留めておくメモ用に使われたものです。桃の節句に飾られる男雛が手にもっているものが笏です。平安時代の延喜式によると、象牙製の笏を用いることができるのは五位以上の貴族に限られていました。
犀角柄刀子 柄を犀の角でつくった小刀。柄の縁には銀の金具がはめられています。柄は透明感のある赤色で気品のある美しい小刀です。
伯牙弾琴鏡 銅製の八花形の鏡です。左側に竹林に琴を弾く中国古代の琴の名手伯牙が、右側には鳳凰が表現されています。
これらの品々は、天神信仰に支えられ、関係者の周到な配慮によって、千年以上も守り伝えられてきたのです。昭和11年には、平安時代の貴族の優雅な生活をうかがう貴重な美術工芸品として国宝となり、昭和28年には、新しく制定された文化財保護法によって、再度国宝に指定されたのです。
伝菅公遺品は、道明寺天満宮境内の宝物館に保存されており、正月三箇日、2月上旬から3月上旬にかけての梅祭開催期間中および3月25日の菜種供養の日に一般公開されています。

 

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教育広報『萌芽』第9号 平成6年8月号より

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