道明寺天満宮の笹散双雀鏡と脇差

更新日:2013年12月23日

笹散双雀鏡と笹散蒔絵鏡匣

笹散双雀鏡と笹散蒔絵鏡匣

今回は、道明寺天満が所蔵する二点の指定文化財を紹介いたします。一つは重要文化財の箱入りの笹散双雀鏡(昭和25年8月29日指定)、もう一つは大阪府指定有形文化財の秀光の銘が入った脇差(昭和56年6月1日指定)です。

笹散双雀鏡は、白銅製で鏡径20センチメートルの円鏡です。鏡背は縁をつくり、圏線をよって内区と外区に分け、内区の中央に素文の鈕(ちゅう)をおき、この鈕から大小3本の帯が左右にのびて鏡縁にまで達しています。内区の上方には二羽の飛雀が向い合って表され、鈕の上下に笹散らし文様のようにして表されています。外区には左右が対称になるようにほぼ同形の笹が表されています。
鏡の表面には金泥で梵字の「ア」が金泥の蓮台の上に描かれています。
鏡箱は鏡背とほぼ同じ笹散文様が蒔絵で表され、鏡と箱が一具としてつくられたとみられます。鏡箱の上部に2個の吊環がそなわっていることからすると、中に納めた鏡を御正体(みしょうたい)として祀ることを最初から予定していたと考えられます。
この鏡と箱は、文様表現や製作技法からすると鎌倉時代につくられたと推定されます。
秀光の銘が入った脇差は、刀身の長さ35.7センチメートル、茎の長さ10.2センチメートルです。目釘穴は一つでその下に「秀光」の銘が刻まれています。
秀光は南北朝末期から室町時代初期にかけて活躍した刀工で備前国(現岡山県)長船に住んでいました。俗に小反り物と呼ばれる流派の名工で、代表作には和歌山県若宮八幡神社の至徳四年(1387年)銘の太刀など3件の重要文化財が知られています。
この脇差は、身幅がやや細身で乱刃が小づむ小反り派の特色がよく現れていて、刃中の働きも豊かな美術的価値も高い作品です。(『藤井寺市史』各説編 2000年3月より一部改変)

教育広報『萌芽』第27号 平成16年2月号より

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