はじめに(No.1)

更新日:2014年04月17日

空から見た藤井寺市

鉛色の空を見上げたとき、鮮やかなひすい色の飛翔が視界をかすめた。その正体が何かをわたしは即座に理解できなかった。かたわらで女性の調査員が「あっ!カワセミや」とすっとんきょうな声をあげた。何でこんなとこにカワセミがいてるねんと疑心を抱きながらも、わたしは、はざみ山古墳の木立の間を目で追った。またもや同じ調査員が「あそこ!」と指さした。彼女の指先をたどると、クヌギの小枝で豆粒が動くような鳥影を見つけることができた。カワセミはご存じのかたもあろうが、清らかな渓流を好む野鳥で、その鳥影をもとめてバード・ウオッチャーは深奥の山へわけ入るということである。そんな野鳥が藤井寺の街中で見れるなんて。わたしたち4人の調査員は、休憩のしばしの時間を自然が生み出した宝石のような小鳥を見て心なごませた。
これは昨年末、野中の前方後円墳はざみ山古墳の調査中の出来事です。住宅や道路ばかりが目立つわたしたちのまわりも、少し注意してみると、まだまだ魅力的な自然や文化財が残されているのです。しかし、その数は毎年確実に少なくなっているし、意識的な保護を続けなければ、やがて消滅してしまうでしょう。
このコーナーではこれまでに市内で実施された埋蔵文化財の調査現場を訪ね、文化財を掘り出した人々や、ときには掘り出された遺構や遺物に色々なエピソードを語ってもらおうと考えました。次回から数回は、いよいよ里帰りが実現することになった修羅をテーマに、その発掘から保存処理にいたる話題をレポートしてみたいと思います。

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教育委員会事務局教育部 文化財保護課
〒583-8583
大阪府藤井寺市岡1丁目1番1号 市役所6階65番窓口
電話番号:072-939-1111 (代表)
072-939-1419 (文化財担当、世界遺産担当)
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