出来た当時の古墳の姿

更新日:2013年12月22日

復元された古墳の姿(神戸五色塚古墳)

復元された古墳の姿(神戸五色塚古墳)
(神戸市教育委員会)

藤井寺の市域には、「ごりょうさん」とよばれる巨大な古墳がいくつもあることは、よくご存じのことと思います。しかし、その古墳が一体いつ、だれが、何のために造ったのかを正確に知っているかたはそう多くはないのではないでしょうか。
このコーナーは、わが藤井寺の誇る文化遺産である古墳について、現在までの研究や調査によって分かったこと、そして依然としてよく分からないことを整理して紹介していきます。
今回は、外から見た古墳の姿ということについて、話を進めてみましょう。現在の古墳は、墳丘を緑の樹木に覆われ、周囲の濠(ほり)には満々と水をたたえ、野鳥たちの楽園となっています。周辺の住宅地とは対照的に、まさに自然の代表のような姿をしています。では、古墳は造られたときからこのような姿だったのでしょうか。
保存のよい墳丘の斜面を掘っていくと、土に混ざって、角のとれた丸い川原石がごろごろと出てくることに気づきます。さらに掘り進めると、握りこぶしほどの川原石をびっしりと敷き並べたような斜面に達します。このような石は河原で集められ古墳に運び込まれたもので、葺石(ふきいし)と呼ばれ、墳丘の斜面すべてを覆っていたことが知られています。つまり、でき上ったばかりの古墳は、まるで石の山のようだったのです。
当時は、今のように住宅や工場が多くはなかったわけですから、古墳は、緑の原野にこつ然と現れた超近代的な構造物であったのです。いわば、過疎の農村に突然建築された、超高層ビルのようなものだったのではないでしょうか。
このような古墳の姿を復元したものとして、神戸市垂水区にある前方後円墳五色塚(ごしきづか)古墳を挙げることができます。ぜひ一度見学されることをお勧めします。
古墳とは、今わたしたちの見る姿とは全く異なるイメージで造られたことが理解いただけたでしょうか。
次回は、埴輪について調べてみたいと思います。


教育広報『萌芽』第1号:平成2年7月号より

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