百舌鳥・古市古墳群を守るために(ふじいでら歴史紀行51)

更新日:2016年03月31日

先日の雪の日の朝、まだ暗いうちから「雪の古市古墳群」の写真を撮るために、藤井寺まで駆けつけました。1年前から、世界遺産をめざす古市古墳群を少しづつ記録しておこうと個人的に撮影を始めました。写真を写していてきれいだなと感じる古墳の中に仲哀天皇陵古墳があります。水を湛えた周濠に移る墳丘や空は他の古墳にはない景観を作り出してくれます。

仲哀天皇陵古墳の周濠には以前は6~7月になると多くの蓮が咲き、皆さんの目を楽しませていました。しかしながらここ数年は蓮が無くなってしまい、素晴らしい蓮を見ることができず、非常に残念です。水質汚濁が原因であるのか、今後その原因を探っていく必要があります。

平成21年度に策定された藤井寺市都市計画マスタープランでは、自然や文化と共生するまちづくりを推進するため、史跡、古墳等の文化遺産、河川・水路等の緑の保全とともに、ため池の水質浄化に努めることを謳っています。また世界遺産にふさわしいまちづくりとして、「古市古墳群の文化的景観の維持・向上を図るため、関連自治体との連携を図りつつ、バッファーゾーンを含めて古墳群と調和した景観の形成とともに眺望景観の確保に努める。」とされています。

藤井寺市には、世界遺産をめざす「古市古墳群」の他に多くの文化遺産を持っています。こうした藤井寺市の特徴的な景観形成の基本的な考え方も示されており、「多くの歴史的文化遺産と調和した総合的な景観づくりを推進するため、景観法の活用を視野に入れつつ、古市古墳群等の歴史的景観の保全、河川景観の保全・創出、良好な都市景観の創出など、藤井寺らしい個性と魅力のある景観の形成に努めていく」としています。

世界遺産とは、人類の歴史によって生み出され、過去から引き継がれた貴重なたからものであり、それらは国際的な保護のもと、今日に生きる世界のすべての人びとが共有し、次の世代に受け継いでいくべきものと記されています。

世界遺産条約は、正式には「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」といいます。世界中の顕著で普遍的な価値のある文化遺産・自然遺産を人類共通のたからものとして守り、次世代に伝えていくことの大切さを訴えている国際条約です。1972年のUNESCO総会で採択され、2009年4月現在、世界遺産条約の締約国数は186か国にのぼります。国際連合の加盟国が2010年現在192か国であることからみても、非常に加盟率の高い条約です。

ぜひとも「百舌鳥・古市古墳群」を世界遺産に登録すると共に、古市古墳群等の歴史的景観の保全し、藤井寺市の素晴らしい都市景観を作りだし、後世に伝えていければと考えています。

(世界遺産登録推進室 山田)

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