登録の基準(ふじいでら歴史紀行25)

更新日:2016年03月31日

古市古墳群は、平成18年暮れの堺市の要請に始まり、急きょ世界遺産を目指すこととなりました。平成19年1月より、古市古墳群を持つ藤井寺市・羽曳野市と百舌鳥古墳群を有する堺市そして大阪府の4団体が集まって、世界遺産登録に向けての検討が始まりました。

まず世界遺産へ登録するためには、都道府県および関係市町村から文化遺産の場合は文化庁へ、自然遺産の場合は環境庁などへ共同提案することから始まります。平成18年度には22県28市町村により24件の世界遺産登録への提案がなされていました。世界遺産に登録されるためには、「顕著で普遍的な価値」を有していることが前提条件となっています。世界遺産の登録基準を少なくとも一つは満たさなければなりません。また遺産自体が真実性や完全性の条件を満たし、適切な保護管理体制がとられていることが必要とされています。日本ユネスコ協会連盟のホームページによると、世界遺産の登録基準としては、

  1. 人類の創造的才能を表す傑作である。
  2. ある期間、あるいは世界のある文化圏において、建築物、技術、記念碑、都市計画、景観設計の発展における人類の価値の重要な交流を示していること。
  3. 現存する、あるいはすでに消滅した文化的伝統や文明に関する独特な、あるいは稀な証拠を示していること。
  4. 人類の歴史の重要な段階を物語る建築様式、あるいは建築的または技術的な集合体または景観に関する優れた見本であること。
  5. ある文化(または複数の文化)を特徴づけるような人類の伝統的集落や土地・海洋利用、あるいは人類と環境の相互作用を示す優れた例であること。
  6. 顕著で普遍的な価値をもつ出来事、生きた伝統、思想、信仰、芸術的作品、あるいは文学的作品と直接または明白な関連があること。
  7. 類例を見ない自然美および美的要素をもつ優れた自然現象、あるいは地域を含むこと。
  8. 生命進化の記録、地形形成において進行しつつある重要な地学的過程、あるいは重要な地質学的、自然地理学的特徴を含む、地球の歴史の主要な段階を代表とする顕著な例であること。
  9. 陸上、淡水域、沿岸および海洋の生態系、動植物群集の進化や発展において、進行しつつある重要な生態学的・生物学的過程を代表する顕著な例であること。
  10. 学術上、あるいは保全上の観点から見て、顕著で普遍的な価値をもつ、絶滅のおそれがある種を含む、生物の多様性の野生状態における保全にとって、もっとも重要な自然の生育地を含むこと。

など10の基準があり、これらの基準の1.~6.までの一つ以上に該当する遺産を文化遺産、7.~10.までの一つ以上に該当する遺産を自然遺産とし、この両者に該当する遺産を複合遺産としています。

これまでに世界遺産に登録された日本の遺産は表の登録基準に該当していることで世界遺産に登録されています。古市古墳群を世界遺産へという空中に楼閣を浮かべるような動きが現実に歩み始めることになりました。

『広報ふじいでら』第477号 2009年2月号より

お問い合わせ

教育委員会事務局教育部 文化財保護課
〒583-8583
大阪府藤井寺市岡1丁目1番1号 市役所6階65番窓口
電話番号:072-939-1111 (代表)
072-939-1419 (文化財担当、世界遺産担当)
ファックス番号:072-952-9507

みなさまのご意見をお聞かせください
このページの内容は分かりやすかったですか。
このページは見つけやすかったですか。