葛井寺の金銅宝塔と石造灯籠

更新日:2013年12月22日

金銅宝塔

金銅宝塔
今回は、葛井寺が所蔵する二点の大阪府指定有形文化財を紹介します。一つは金銅宝塔(昭和58年5月2日指定)、もう一つは石造灯籠(昭和45年2月20日指定)です。

金銅宝塔は平安時代から鎌倉時代に盛んになった舎利信仰を背景に製作された高さ45センチメートルの小塔です。稚児棟つきの屋蓋部、基部に蓮弁を根巻した四方に扉をつけた塔身部、勾欄をつけ格狭間を配した基壇部からなります。屋根が塔身に比較してやや大きく、塔身の頚も短く、全体にずんぐりとした感じを受けます。建築表現の細部には省略もありますが、製作年代は鎌倉時代を下らないものです。内部に安置する小型の舎利容器には、大小12個の舎利をおさめています。
石造灯籠は現在、本堂裏の庭園に建てられています。高さ230センチメートルで上から宝珠、笠、火袋、中台、竿、基礎からなっています。笠の一部に欠損がありますが、ほぼ完全な形で保存されています。六角形の火袋、中台の周囲に獅子を浮彫りで表わしています。各部の均整のとれた素朴で力強い形が特色です。銘はありませんが、鎌倉時代の製作と推定されています。
この灯籠が本来どこに建っていたかは不明ですが、室町時代の「葛井寺参詣曼荼羅」には本堂前と仁王門前に灯籠が描かれていますので、いずれかがこの灯籠だと考えられます。
本灯籠の傍らには大正7年に建てられた標柱石があり、紫雲石灯籠とよばれるようになった由来を記しています。(『藤井寺市史』各説編2000年3月より一部改変)
教育広報『萌芽』第26号:平成15年8月号より

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