道明寺の十一面観音と聖徳太子立像

更新日:2013年12月23日

重文:聖徳太子立像(道明寺)

重文 聖徳太子立像(道明寺)

道明寺には、ご本尊と試みの観音の二体の十一面観音立像があります。このうち、ご本尊の十一面観音立像については以前にご紹介しました。今回は、もう一体の十一面観音立像である試みの観音と聖徳太子立像(いずれも重要文化財)についてご紹介します。

試みの観音と称される十一面観音立像は、ご本尊の十一面観音立像に先だって作られた試作の像で、菅原道真公が自ら作られたと伝えられています。檜の一木造で、像高は50.3センチメートルです。
像全体のバランスは、胴体に比べて頭部が大きめであるという特徴が認められます。そして、頭上の十一面もやや大きめになっています。また、膝は少し曲げて、腰をややおとすような姿勢をとっています。
この像が作られたのは平安時代であると考えられていますが、近年の研究では奈良時代末とする考えも有力になりつつあります。
聖徳太子立像は、太子が十六歳のとき、父である用明天皇の病気が治るように香炉をささげて祈願したという姿を表したものです。聖徳太子孝養像と称されます。父のために真剣に祈願する太子のようすが、像の顔の表情など見事に表現されています。寄木造で、像高は106.4センチメートルです。
厳しい顔の表情や袈裟の表現など、鎌倉時代の写実的な彫刻表現の伝統を受け継いでいることがわかります。
この像が作られたのは、胎内に納入されていた『法華経』、『勝鬘経』などの経巻の奥書から、弘安九年(一二八六)であることが知られます。
試みの観音と聖徳太子立像は、現在、国の重要文化財に指定されています。(参考図書『仏像』藤井寺市文化財第十二号、一九九一)
教育広報『萌芽』第25号 平成14年8月号より

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