大阪府立近つ飛鳥博物館冬季企画展を訪ねる2(No.94)

更新日:2013年12月20日

赤子塚古墳出土の人物埴輪頭部(右)と犬形埴輪頭部(左)

大阪府立近つ飛鳥博物館で開催される、冬季企画展に出品予定の小山遺跡と赤子塚古墳の出土品を紹介することにしましょう。
小山遺跡の調査は、平成8年4月から6月に津堂2丁目で実施されたものです。この調査では、縄紋土器にはじまる多種多様な遺物が出土しましたが、そのうち注目された銭貨と、ミニチュアの木製品などの出品を予定しています。
銭貨は貞観永寳(870年初鋳)と寛平大寳(890年初鋳)の二種で、合計33枚が見つかりました。
銭貨が見つかった落ち込みと別の穴からは、奈良時代中ごろの土器とともにミニチュアの木製品や、統一新羅の緑釉(りょくゆう)壺、墨書きをした土器など珍しい遺物が出土しています。
これらの遺物は、日常の生活に使われたものではなく、古代のまつりを伝える貴重な資料です。
一方、赤子塚古墳は、平成7年12月から8年5月にかけて調査が行われました。場所は林5丁目で、昭和20年代までは墳丘が残っていたということです。その後墳丘は壊され、住宅地になっていましたが、ここにマンション建設が予定されたので調査することになったのです。
調査の結果、赤子塚古墳は直径33メートルの円墳で、南側に造出しをもつことが分かりました。古墳のまわりには濠をめぐらせていて、その中には、墳丘や造出しに立てられていた、いろいろな埴輪が落ち込んでいました。埴輪の大半は円筒埴輪でしたが、造出しの周辺からは、形象埴輪がたくさん出土しました。これらには、人物(巫女(みこ)、男子)、器財(衣蓋(きぬがさ)、盾、靫(ゆぎ)、甲冑)、動物(馬、犬、猪)があります。このうち男子と犬の頭部、巫女、衣蓋形埴輪の出品を予定しています。
この調査では、赤子塚古墳がすぐ東の大型前方後円墳、市野山古墳の陪塚として5世紀の後半に造られたことが確かめられました。
さらに興味深かったのは、赤子塚古墳の下層から、古墳築造前のお墓が見つかったことです。これらには円筒棺墓3基、土壙墓2基、方形周溝墓1基が挙げられます。円筒棺の埴輪は、古市古墳群で最も古い津堂城山古墳の円筒埴輪よりもさらに古い特徴をもっていました。円筒棺が土師氏の存在を示すものだとすれば、古市古墳群の成立前に、土師氏がこの地に足を踏み入れていたことになります。この下層の墓群からは方形周溝墓から出土した須恵器の器台と土師器の高坏の出品を予定しています。
会期は平成10年1月27日から3月22日までです。ぜひ一度足を運んでください。

写真:赤子塚古墳出土の人物埴輪頭部(右)と犬形埴輪頭部(左)

『広報ふじいでら』第344号 1998年1月号より

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