世界遺産の登録の推進(ふじいでら歴史紀行53)

更新日:2016年03月31日

「平泉、雪辱、東北復興の光」

ゴールデンウィーク中の新聞の見出しに平泉の世界遺産決定が踊りました。平成20年に登録の見送られた岩手県の中尊寺金色堂などの「平泉」と自然遺産として「小笠原諸島」の二つの資産を国際記念物遺跡会議(イコモス)が世界遺産登録を勧告したと報道がありました。「平泉」の世界遺産決定は、今回の震災で大打撃を受けた東北地方の復興への一筋の光となるニュースでした。

平泉は、平成20年に登録見送りとなり、資産を平泉町の6つに絞って再挑戦をしていました。平泉は、12世紀に、仏教に基づく理想世界の実現を目指して造営された政治・行政上の拠点です。末法の世が近づくにつれ興隆した阿弥陀如来の極楽浄土信仰を中心とする浄土思想に基づき、現世における仏国土(浄土)の空間的な表現を目的として創造された独特の例として評価されています。4か所の浄土庭園には仏教と日本の自然信仰の融合が明確に表現されていると評価され、浄土思想は、日本のみならず東南アジアにも影響を与えた思想であると評価されています。また、鉄塔や建築物による資産への悪影響についても資産の本質を変えるものではないと判断されました。しかしながら奥州藤原氏の居館跡である柳之御所遺跡については資産から除外することが条件となっています。

6月にフランスのパリで行われるユネスコの世界遺産委員会で正式に登録される運びとなります。

この明るいニュースに続いて、5月12日には大阪府咲洲庁舎にて大阪府の橋下知事を会長とする「百舌鳥・古市古墳群世界文化遺産登録推進本部会議」が設置されました。この推進本部会議では、世界文化遺産の登録推薦書案の作成や、情報の発信、国やユネスコなどの関係機関との協議・調整など世界遺産登録を達成するために必要な事柄を協力して進めることを目的としています。

これまでも大阪府・堺市・羽曳野市とともに、「百舌鳥・古市古墳群」の世界遺産登録を目指していましたが、昨年11月の世界遺産暫定リスト登載を期に、大阪府知事を会長とする推進本部会議が設置されました。

この本部会議の下、百舌鳥・古墳群の基本的な資料収集や国際会議の開催など、より一層世界遺産登録の推進を図っていきます。

こうした動きとともに、藤井寺市においても世界遺産登録を積極的に推進するために、市民の皆さんに古市古墳群の重要性をもっとPR していく必要があると考えています。市民の皆さんが郷土の資産「古市古墳群」に愛着と誇りを持っていただけるようにさまざまな機会をとらえてPR していきたいと考えています。

今年度は古市古墳群をテーマとした副読本を作成し、子どもたちに世界遺産登録をめざす古市古墳群をより深く理解してもらい、郷土への愛着を深め、歴史に触れ合う機会を創っていこうと考えています。

文化庁長官近藤誠一氏は、世界遺産登録に向けた体制として、地元の皆さんの関わりが重要で、遺産を守るのだという地元の皆さんの意志が一番大事だと訴えておられます。今後は様々な世界遺産登録をめざす百舌鳥・古市古墳群をPR する取り組みを企画しますので、ご期待ください。

(世界遺産登録推進室 山田)

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