市政運営方針

更新日:2026年02月17日

令和8年度市政運営方針

 令和8年第1回定例市議会の開会にあたり、新年度の市政運営につきまして、所信の一端を申し述べたいと存じます。

はじめに

 藤井寺市は、令和8年度に市制施行60周年を迎えます。

 明治時代に遡る本市の歴史は幾多の変遷を経て、昭和41年に現在の市域を擁する自治体となりました。振り返りますと60年にわたる先人の努力と市民の支えが、今日の市政を創り上げてきました。

 私自身、これからの藤井寺市を切り拓くため、誰もが住みたくなる魅力と潜在力を秘めたまちづくりに邁進していかなければならないと、自らの責務を強く感じています。

 その思いを強くした一つが、昨年開催された大阪・関西万博です。本市からは、大阪ウィークを中心に多くの市民、関係団体、事業者の方々の参加を得て、“ふじいでら”の存在を大いに発信していただきました。メディアを通じた反響も大きく、自分たちのまちを誇らしく再認識できたことも大きな成果であったと考えます。市職員も試行錯誤しつつも、参画された方々と共創、創意工夫し、企画を実現していく貴重な経験を得ることができました。

 平生、国際社会との接点に乏しい本市も、エジプトとの交流を得る機会がありました。この機会によって子どもたちをはじめ市民の方々が、世界に関心を持つきっかけになったのであれば、大変嬉しく思います。また、万博を契機に市町村の広域的な連携機運も生まれ、「南大阪創生首長会議」が設立されるなど新たな潮流も見られます。このような万博を通じて得られた有形無形のレガシーを今後の市政運営に活かせるよう、アンテナを広く張り、新たなことに果敢に取り組んでいくことこそ、次の時代の藤井寺市を創る源泉であると確信します。

 目を社会情勢に転じますと、人口減少下での少子化・高齢化の進行、インフレ下での人的資源の不足や社会資本の老朽化など、市民生活や地域経済に影響を及ぼす要因が顕在化しています。このような中、行政として市民の生活をいかに守っていくかは、重要な課題です。

 そこで、まず、国の「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」を活用した取組を進めます。

 具体的には、生活支援の即応性に力点を置き、一人あたり6千円の給付を全市民に行う「藤井寺市みんなのくらし応援給付金事業」を実施します。また、藤井寺水道センターから給水を受けているご家庭と事業者に対しましては、水道基本料金を半年間無料にいたします。そして、市立小学校では、国の制度化にあわせて給食費の保護者負担を無償とし、市立中学校では、給食費の値上げ分の負担が抑制されるよう一部助成を実施します。

 このように令和8年度は、施策の果実が市民サービスに還元されていくことに留意しつつ、市制施行60周年という節目を捉え、本市の未来への投資にもつながる取組にも意を用います。

 それでは、主な施策につきまして、第六次藤井寺市総合計画の5つの施策の柱に沿って、その概要をご説明申し上げます。

 

5つの施策の柱

1 地域の人や資源を活かし、にぎわいと活力を創出する

 本市の観光・交流の拠点とすべく、昨年リニューアルを行ったアイセルシュラホールは、万博効果もあり地域のイベントに活用されるなど、今や藤井寺市のランドマークになりつつあると感じています。令和8年度は、リニューアル1周年を踏まえ、市として魅力的な体験機会の提供を強化し、3Dプリンターを用いた埴輪づくりをはじめ、巨大古墳ジオラマや近鉄バファローズ関連資料の展示コーナーを活用した催事の開催などにより、一層の観光と交流の拠点化を図ります。地上波テレビなどの各種メディアを活用した観光プロモーションを積極的に展開し、内外からの観光客の誘引にも努めます。

 市外からの誘客手段の一つとして、民間企業と連携して導入したLINE連携型のスタンプラリーは、大阪・関西万博の会場で展開し、好評を得ましたが、令和8年度はさらに市内の魅力的な周遊コースを設定するなど、コンテンツの開発に努めます。

 さらに、市公式YouTubeチャンネルを活用し、本市の魅力を分かりやすく発信する動画コンテンツの制作を積極的に進め、効果的なシティプロモーション活動を展開します。

 このようなPRを重ねることで、居住魅力の向上、交流人口の拡大、そしてまちの活性化につながるよう取り組みます。

 大阪府下唯一の世界遺産である「百舌鳥・古市古墳群」や国史跡の「国府遺跡」については、「史跡古市古墳群整備基本計画(第2次)」の整備方針に基づき、その価値や魅力を未来へと確実に引き継ぐため、将来の保全と活用を念頭に、史跡指定地の買い上げを計画的かつ着実に進めます。

 このように藤井寺市ならではのまちの佇まいを守りながら、一方で人・モノが行き交う躍動感をまちにもたらすことも重要です。地域に根差した産業が育ち、経済が循環する土壌形成を図ります。そのためには、起業、多角経営化など、新たな価値を生み出す動きを後押しし、それらの芽を育て、確かな成長へとつなげていく取組が必要です。

 その一環として、令和7年度に続き、「藤井寺市事業者支援補助金」をより実情に即すよう改善し、創業期から事業の成長、企業価値の向上に至るまで、事業段階や企業形態に応じた支援を行います。

 加えて、地域の資源と資金を活用した創業を支援する「ローカル10,000プロジェクト」を国等と連携し、新たに開始します。市域に新たな雇用や付加価値を生み出し、産業の活性化につながるように取組を進めます。

 

2.子どもたちが輝き、生涯にわたり学び・活動する

 子育て世代が安心して子どもを育み、子どもたちが健やかに成長できる社会をつくることは、複雑化する現代社会の中で、子どもたちの「生きる力」を育てる大切な要素の一つです。核家族化による育児の負担の偏りや、物価高騰による家計への影響なども子育て環境を難しくする要因と言え、これらに適切に対処しなければなりません。

 本市としても “子育ち・子育てを支えるより良い環境整備” を進め、将来への夢と希望を持って子育てにあたることができる“ふじいでら”となるよう力を傾注します。

 まず、保育施設の環境整備では、待機児童の解消を目指し、整備の促進を支援してきた民間保育施設が、令和8年4月に開所する予定です。定員100名規模の新たな施設によって待機児童数は大きく改善する見込みです。また、安全で安心して過ごせる保育環境を確保するために、市立第3保育所の幼児棟の改修に伴う設計業務を実施します。さらに、市立幼稚園・保育所・認定こども園の再編に向けた課題等を整理し、その処方箋を示すことで、市民病院跡地を活用した保育機能導入のあり方について意思形成を図ります。

 次に、子どもたちの育ちを応援するため、令和8年4月より新たな国の給付制度である乳児等通園支援事業、いわゆる「こども誰でも通園制度」を導入します。この制度は、保護者の就労要件を問わず、月一定時間の中で保育所等を利用できる制度で、良質な成育環境が提供できるよう取組を進めます。

 学校施設の整備では、保護者からの要望が多いトイレの洋式化を低学年児童が使用するトイレから進めており、令和8年度末までに、市立小学校の洋式化率80%以上の達成を目指します。

 また、令和7年度より試行的に実施していた、小学校水泳授業の民間委託に関しては、児童からも好評で、安全に実施できていることから、実施校を新たに2校増やします。これにより教員の負担軽減にもつながり、引き続き将来を見据えた教育環境の充実に努めます。

 学校教育環境の充実に加え、学びや成長が学校に留まることなく、放課後等においても支えられる環境づくりが求められています。

 その一環として、令和8年度においては、藤井寺西小学校において放課後の校庭開放を試験的に実施します。子どもたちがのびのびと体を動かし、ボール遊びなどができる場所を提供するとともに、学年を超えた児童同士の交流の促進を図ります。

 食材費等の物価高騰が続いていることから、子どもや子育て家庭に寄り添い、食事提供を通じた安心できる身近な居場所として活動いただいている「こども食堂」の運営団体に対し、「藤井寺市こども食堂物価高騰対策支援事業補助金」を設け、活動を支援します。この取組により、子どもの成長を支えるだけでなく、学校以外での保護者や地域住民との関わりが深められることで、世代を超えた地域交流が促進されることも期待しています。

 また、子ども期から培われる学びや体験を、生涯にわたる学びへとつなげていくため、乳幼児と保護者が本に親しみ、読書習慣が形成されるよう、4か月児健康診査時に絵本を配布する「ブックスタート事業」を創設します。

 

3.誰もが健やかに暮らし、ともに支え合う

 年齢や障害の有無に関わらず、すべての市民が健やかに暮らし、互いに支え合いながら安心して生活できることは大切なことです。支援を必要とする人に加え、家族や地域での担い手など日常的に支えている方を支援する視点がこれからさらに重要になると考えます。

 こうした考えの下、令和8年度はこれまでの取組を検証し、次の施策展開につなげていくため、障害福祉及び高齢者福祉の両分野において、次期計画の策定を進めます。

 障害福祉分野では、「藤井寺市障害者計画」、「藤井寺市障害福祉計画(第7期)」及び「藤井寺市障害児福祉計画(第3期)」において、取り組んだ課題や成果を整理した上で、さらなる障害福祉の充実を図る次期計画の策定を進めます。また、障害のある方を日常的に介護しているご家族が、一時的に介護を行うことが困難となった場合に市内の短期入所事業所と連携し、緊急的な受入体制を確保する「障害者緊急時受入確保事業」を実施し、介護者の不安軽減と、障害のある方が地域で安心して生活を続けられる環境づくりに取り組みます。

 高齢者福祉分野では、介護や支援が必要となる前から、健康づくりや社会参加を促進し、地域とのつながりを保ちながら自立した生活が継続できるよう支えることが重要です。そのために、介護保険制度の持続と地域包括ケアシステムの推進を柱とする「第10期藤井寺市いきいき長寿プラン」の策定を引き続き進めます。

 また、心身機能の改善や生活機能の向上を目的とした「短期集中通所型サービス」を令和8年度から新たに実施し、一定期間に集中的に専門的な支援を行うことで、高齢者の自立支援や重度化防止につなげ、住み慣れた地域で生活が続けられるよう支援します。

 さらに、本市の今後の福祉的支援の中核を担う機能として、「福祉の総合相談窓口」を新たに設置し、多岐にわたる福祉の相談を断ることなく受け止めます。相談者の状況を包括的に捉え、必要な支援へとつなげていく体制を構築し、重層的支援体制の確立に向けて取り組みます。

 健康分野では、国民健康保険における本市の特定健診受診率は、大阪府下においてトップクラスを維持しています。さらに、健康寿命の延伸や生活の質の向上を図るため、疾病の予防と早期発見に重点を置き、「予防接種事業」、「健康診査事業」、「がん検診事業」などについて、市民の皆様がより受診しやすいよう工夫し、日常的な健康づくりを支えていきます。

 また、妊婦の方が安心して出産を迎えられるように実施している妊婦健康診査については、その費用助成の拡充を図り、経済的負担の軽減と母子の健康管理に取り組みます。

 

4.自然と調和しつつ、災害などから市民を守る安心・安全な環境をつくる

 市民の生命と暮らしを災害などから守り、安心・安全に暮らせる 良好な環境の確保は、基礎自治体の重要な責務です。

 全国的に見れば地震や大規模な火災が多発しており、また、記録的な猛暑や集中豪雨などが社会に及ぼすリスクも高まっています。

 こうした災害時においては、市民一人ひとりが「命を守る行動」を迅速に取ることができるかが肝要であり、そのためには、平時からの備えが万全でなければなりません。

 このことからも、指定避難所である市民総合体育館の耐震補強等工事を着実に進め、災害時の市民の安全確保を図ります。

 また、市民が自らの居住地域における災害リスクを正しく理解し、適切な避難行動につなげられるよう、防災ガイドブックの内水浸水想定区域図や防災に関する啓発内容を更新し、全戸配布を行います。

 さらに、消防車庫の建替、自主防災組織での訓練や講習会の実施など、地域の自主防災力強化に向けた支援を行います。

 防犯面では、関係機関や関係団体と連携し、地域が一体となった 防犯活動の充実が図れるよう、自主的な防犯活動への支援に加え、防犯カメラの設置やその修繕に対して、各地区への支援を継続し、市民が安心して暮らせる生活環境づくりに努めます。

 SDGsの理念を踏まえた持続可能な社会の形成は、今や世界的要請でもあります。本市は、排出ごみの減量や再資源化の推進において、全国的にも後塵を拝しており、早急に取り組むべき課題です。今後、プラスチックごみの取り扱いに関する法改正への対応や循環型社会の形成を目指した取組について、「藤井寺市環境保全審議会」などで議論を深め、対処します。

 

5.それぞれの地域の良さを活かし、快適で良好な生活空間を形成する

 市民が日常生活を快適に過ごし、住み続けたいと感じるまちで あるためには、各々の地域が持つ特性や魅力を活かしながら、まちの将来像の実現に向け、良好な生活空間を計画的に整えることが重要です。

 このことから、都心部へのアクセスの良さ、豊かな歴史文化資産等といった本市の特性を踏まえ、「藤井寺市都市計画マスタープラン」及び「藤井寺市立地適正化計画」に基づく「コンパクトシティ」に相応しいまちづくりを進めます。

 また、生活の基礎となる住宅の安全性を確保するために「藤井寺市耐震改修促進計画」の改定を行い、市内住宅の耐震化を計画的に推進し、災害に強い住環境の整備に取り組みます。

 都市計画道路八尾富田林線沿道のまちづくりについては、これまで地権者の皆様とともに、沿道の土地利用やまちの将来像について検討を重ね、本市も支援してきた「藤井寺市津堂・小山土地区画整理組合」の設立も間近となりました。令和8年度は区画整理に関する設計業務に加え、埋蔵文化財の本掘調査が開始されるなど、新たな段階を迎えます。今後も大阪府と連携しながら、将来を見据えたまちづくりを進めます。

 道明寺エリアにおいては、豊かな歴史・文化と調和した景観づくりを関係者と連携しながら整備を進めてきたところであり、道明寺駅前や宮前道路の美装化工事を含めたまちなみ景観整備が、令和8年度で完了します。

 こうした都市魅力の向上に加え、子どもたちの遊び場でもある 公園については、計画的にリニューアルを進めます。令和8年度は、大井垣添児童公園の遊具リニューアルを実施し、子どもから高齢者まで、幅広い世代に親しまれる公園環境の充実を図ります。

 市域における円滑な移動環境を整えることは、少子高齢化社会が進む中で、歩行移動が困難な方などを支える上でも重要なことです。令和7年度から実証運行を開始したデマンド型乗合タクシーにつきましては、令和8年度も引き続き実証運行を行い、利用状況や効果などの検証を行いながら、持続可能な公共交通サービスとしてのあり方を示していきます。

 また、本市では、「藤井寺市交通バリアフリー基本構想」及び「藤井寺市通学路等交通安全プログラム」に基づき、歩道整備に取り組んでいますが、依然として安全性の確保が課題となっている箇所もあります。特に、児童が日常的に利用する通学路でもあり、安全な歩行環境を確保する必要がある「主要地方道堺大和高田線」の一部区間において、大阪府と連携しながら歩道の拡幅に取り組みます。

 市民病院の跡地利用については、これまでも各所で市民の皆様のご意見に耳を傾け集約してきたところであり、令和8年度はそれらの意見も踏まえつつ、基本構想につながる施設整備に向けた検討と必要な調査業務を進めます。

 以上、総合計画の5つの施策の柱に沿って、施策の概要を申し上げました。

 

6.持続可能な行財政運営と職場環境

 令和8年度は、私の二期目の仕上げの年にあたります。これまでの市政運営を通じ、市民目線に立った施策立案と持続可能なサービスの提供、それを支える財政の安定化と内部組織マネジメントの浸透を進め、一定の成果が見られるようになりました。しかし、まだ緒についたばかりです。より着実に軌道に乗せていくためには、今ご説明申し上げた令和8年度予算による諸施策を遂行していくことに加え、現下の行政課題に的確に対応できる組織体制とするため、4月1日付で、一部組織の機構改革を実施します。さらに、職員一人ひとりの執務能力を引き出し、与えられた職務に対して成果をあげた職員の努力に応えるため、令和7年度より試行実施している人事評価制度を令和8年度から本格的に導入するとともに、勤勉手当の弾力化をはじめ、評価結果の任用、給与等への活用策を確立します。

 また、行政DXも重要な課題です。行政サービスのデジタル化は、市民の利便性向上と行政事務の効率化を両立できる取組です。その先駆けとして、市役所1階の市民課窓口にキャッシュレス決済対応端末を導入し、市民サービスの向上にもつなげます。

 一方、行政事務のDX化については、国が示す標準準拠システムの移行が遅れていることに鑑み、適切に対応していくとともに、コスト低廉化が図れるよう、大阪府などと連携し対応方策の協議を進めます。

 歳入の確保にあたっては、引き続き厳しい状況が見込まれる中、税外収入の確保も大切です。公有地活用の観点から公民連携の下で再整備を進めてきた「ふじみ緑地」につきましては、民間事業施設と公園のリニューアル工事の完成が4月に予定されており、歳入確保だけでなく、周辺の環境と魅力の向上に寄与するものと考えます。

 また、ふるさと納税の新たな返礼品の開発や返礼品事業者の掘り起こしについても工夫し、これまで以上にその拡大を目指します。

 

むすびに

 最後に、冒頭申し上げましたように令和8年度は市制施行60周年を迎える記念すべき年です。「ふじいでら市民まつり」を核に地域に受け継がれてきた伝統文化や商業活動を後押しし、市民の皆様とのお祝いの機運を盛り上げていきます。そして、この60周年の節目が後世の記憶に受け継がれるよう、その仕掛けづくりも考えます。これらを通じ、他にない “ふじいでら” の魅力を再認識していただき、郷土への愛着を深めてもらえれば、この上ない喜びです。

 午年(うま年)は、物事が大きく前進し、発展、躍動、飛躍の年であると言われています。このエネルギーが、市の将来像である『人と歴史が活きる未来へ 笑顔と活気に満ちた快適なまち ふじいでら』の実現にもたらされるよう、私を先頭に職員と一丸となり市政運営に全力で取り組みます。

 市民の皆様並びに議員の皆様におかれましては、格別のご理解とご協力をお願い申し上げ、令和8年度の市政運営方針といたします。

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